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ACT14-(1)

「…………というわけで、宮本春花さんです。皆さん、仲良くしてあげてください。」
私立聖ミカエル女学院高等部で、宮本春花は緊張した顔つきで教壇に立った。
「よ、よろしくお願いします…………!」



「……いや、マジで吃驚したんですけど………。」
「……………いやあ、おばあちゃんと同居することになってその関係で近い学校に編入することになったの。
でもミカ女って結構編入試験難しいんだね…………。」




昼休みになり、満月と物吉は春花に校舎案内をしながら他愛もない世間話をした。


「でも満月ちゃんと同じクラスになれて良かった。」
「でも今の時期に編入するなんて珍しいねぇ。」
「そうですね。」
「……………うーん、こればっかりは家庭の事情だから仕方がないかも。」
「…………あら、姫宮さん。物吉さん、ご機嫌よう。」
「………綾小路先輩、ご機嫌よう。」


「………えっと、どちら様で?」
「………高等部生徒会執行部生徒会長の綾小路美紗夜先輩です。」
「今日はどういったご用件でしょうか?」
「姫宮さん、貴女、生徒会長に興味はないかしら?」
「…………はい?」
「…………満月ちゃんが?」
美紗夜の言葉に春花は首を傾げた。

「ええ、成績優秀、スポーツ万能、加えて生徒達からの支持も圧倒的にある貴女に
次期生徒会長を任せたいの。
もちろん、物吉さんや今日編入してきたばかりの宮本さんも入っても構わないわよ?」
「………いやいやいやいや、満月ちゃんはともかく私もですか!?」

「ええ、宮本さん。貴女、中学の時、生徒会執行部の役員として業務に励んでいたそうね。
どうかしら?」
「どうかしらと言われましても………。」

「良い返事を期待しているわ、3人共。」

それだけ言うと美紗夜はクルリ、と踵を返して去って行った。


「……………………綾小路先輩、単純に私に面倒事を押し付けたいだけじゃないか………。」
「…………生徒会執行部、確かに経験あるけど面倒くさいよ?」
「さすが経験者は語ることが違いますね。説得力があります。」
「………教師と生徒の繋ぎ役、大変だもん…………。
ねぇ、前々からそういう話が持ち上がっていたの?」

「………みたいだよ。他にも一応候補者がいるんですかって聞いたんだけど私以外はいないの一点張りで………。」

「満月ちゃんも私も、仕事があるんだけどなぁ………。」
「でも断れそうな雰囲気じゃないしな…………。」


結局、チャイムが鳴るまでの間、満月達ははぁとため息をつき続けたのであった。


続く。

ACT2-(1)

「だー、ちきしょう!どうして勝てないんだ!?」
「だから、思考がワンパターン化しているから読みやすいんだってば。」

いつものように、試練の挑戦をしにきたタクマにヒロキはそう言った。

「まったく、いい加減戦術変えたらどうだ?」
「五月蠅い。俺には俺の戦術があるんだ。猪突猛進で結構だよ。」

「自分では言わないんだけどなぁ……………。」

ユキメノコとグレイシアをなでなでしながら、ヒロキはタクマに言った。

「…………………ところでさ、お前。新年の初夢見たか?」
「見たよ。サクラと一緒にデートする夢だった。実現させるけどな。」
「何をぅ!?どちくしょう、俺なんて女の子にフラれまくる夢だったんだぞ。」

「いや、知るかよ。お前の性格じゃ彼女できないだろ、一生。」

「一生とか言うなよ、最悪だな!」


「………そういえば、悪夢と言ったらダークライって知っているかしら?」

にょき、と出てきたミツキにタクマは悲鳴をあげそうになった。

「ダークライって悪夢を見せるポケモンですよね?
でも自分の身を守るためにやっているのに、誤解されて可哀想な奴って思っているんですけど。」
「アブソルだって災いを知らせにきただけなのに、災いを呼ぶ不運なポケモンだよなぁ。
風評被害って奴?」

「………実はね、ハラさんから連絡があったのよ。
どうもこの地方にダークライが来ているみたいで。」

「…………何で?ダークライって言ったらフツー、シンオウ地方じゃないですか?」
「それはダークライに聞いてみないとわからないわよ。
で、とりあえずキャプテンやしまキング、しまクイーンに声をかけて
探してもらっているんだけど、見つからなくて。」

「探してどうするんですか?」
「人々に誤解される前に保護しようって話なのよ。」

「なるほど。」
「………なら、サクラにも声をかけないとな。シンオウ地方じゃ、
クレセリアのみかづきのはねで、ダークライの悪夢を追い払ったらしいから。」

「………え、サクラ、クレセリア持っているのか?」
「持っているよ?」

「………でも相性的にクレセリアの方が分悪くないか?」
「そこはほら、長年の経験がものを言うんだよ、タクマ。」


「……………そうか?」
「そうだよ。」


続く。
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