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ACT2-(2)

「…………よし、これでどうだ!」
「はい、これで決めます!」

満月と物吉の後方支援を受け、芳樹と智久はモンスターを狩っていく。
「…………データを収集すれば、召喚できるんですよね?」
「あ、うん。100%以上になれば召喚できるから。」

「なるほどー。………あ、このモンスターは防御が固いんですね。
念のため、召喚データ用に取っておきますか。」

「…………………でも、ホントに初心者?」
「俺達のアドバイスがあるとは言ってもビギナーズラックが続くわけないし………。」
「ああ、物吉は徳川家に幸運をもたらした物吉貞宗の名を襲名しているからね。
彼女がいると実際、幸運が続いているから。特に満月ちゃん。」

「え、そうなの!?」

「物吉がいると、調子がすごぶる良いの。まぁ、芳樹さんのお爺様に、
私に幸運をもたらせってプレッシャーをかけられているからねぇ。」

「幸運を運ぶのが僕の役割ですからね。」

「呑気に言っているけど、プレッシャーかけられるのすごい怖くないか?」

「いえいえ、僕は守り刀ですから。
お嬢様をお守りするのが役目ですし。」

「………はぁ…………。」

「………でも、ホントにビギナーズラックいつまで続くのかな?」

「とりあえずビギナーズラックは大事にしよう。
ま、物吉がいる限り、負けることはないから大丈夫だろ。」
「ああ、そうだな。物吉は戦いの度にいつも勝利していたって言う逸話があるからな。」
「お役に立てて光栄です。」


「………………俺も幸運が欲しいなぁ。物欲センサーがいつも出るし。」

「………何ていうか、レアアイテムバンバンドロップしているし………。
ホント、物吉さんって凄いね。」




続く。

飼い猫の生活。

とてとて、とフローリングの床を私ことキティは歩いていた。

「あ、キティ。おはよう。」

ご主人様である満月さんに声をかけられて私はみゃぁ、と鳴いた。

私はノルウェージャンフォレストキャットという種類の猫で、
元々捨て猫として保護されていたところをちょうどペットが飼いたいと思っていた
芳樹さんと満月さんに貰われた。

綿貫家での生活はほんとにのんびりとしたもので、
ご飯は美味しいし、2人や守り刀の世話はとても丁重で心地良い。

満月さんの歩調に合わせて私は歩く。

幼少期は病弱だったという彼女は今でもたまに季節の変わり目になると寝込んでしまう。
そういう時、私は傍によるのだ。

ちょっと顔を見てみると、何だか調子が悪そう。大丈夫かしら?


「……なぁに、キティ。心配してくれてるの?」

満月さんの問いに私はみゃぁ、と鳴いて足に擦り寄った。

「キティは優しいのね。」

当然。私は芳樹さんと満月さんのことが好きなんだから。
2人に貰われなかったら、保護施設のところにいたままだったかもしれないもの。

「ああ、満月ちゃん。おはよう。それにキティも。」

ご主人様、おはようと私はみゃぁと鳴いた。

人間との意思疎通はできないけれど、人間の言葉は理解できる。

私はここにきて幸せだ。

「……………そろそろ、手入れをしないといけないかもなぁ。」
「そうですね。」


ご主人様の手入れはとても気持ちがいい。満月さんと2人で協力してやってくれるから、なおさら。

ごろごろと鳴く私の首を芳樹さんは撫でた。


「キティは良い子だね。これからもよろしく頼むよ。」

ええ、こちらこそ喜んで。



終わり。

ACT1-(9)


…………そして。夜21時を過ぎ。

「さて、オドシシよ。体調は大丈夫かのぅ?」

男性………サンタクロースの言葉に、オドシシはすっかり元気になった声で鳴いた。

「そうかそうか。後であの3人にはお礼をしないとなぁ。
こおりタイプのキャプテンとエスパータイプのキャプテンに声をかけて貰わなかったら、
ホントに困ったところだったぞ。」

ソリに乗ったサンタクロースは手綱を握ると、ハイヤァ!と叫んだ。


……………次の日。

「お、おわぁぁぁああ!!」

「…………どうしたんだヒロキ。」
「父さん、母さん、このプレゼント、どうしたの!?」

「あ、いや………サンタさんから贈られてきたのよ。」
「お前が寝た後、インターホンが鳴って扉を開けたらサンタクロースですって言って、
これをヒロキに渡してくれって頼まれたんだ。」

「叩き起こしましょうか?って言ったんだけど、サンタさん忙しいからいいですって。」
「えー、お礼を言いたかったのになあ…………。」



「でもサンタさんってホントにいたのね………。」
「ああ、吃驚したよ。………サンタさんに何かしたのか?」

「あー……ちょっとオドシシが体調不良なのを見ただけなんだけど。………タクマが。」
「あら、そうなの?」
「うん。でも俺、何もしていない。」

「だけど、声はかけたんでしょう?良かったじゃない。」


「………ああ、ヒロキは良いことをしていたからな。
後でサクラちゃんに電話をしたらどうだい?
さっき、うちに電話かかってきたよ。」

「ええ、マジで!?うわすぐに電話しなくちゃ!!」


そういうとヒロキはポケギアを探しに部屋に戻った。


続く。

ACT1-(8)

「…………はー、食った食った。」
「美味しかったね、レストランのスペシャルメニュー。」
「………俺、邪魔してよかったのか?」
「仕方がないだろ、お前、俺達の写真撮ってこいって父さんと母さんに頼まれたんだろ?
写真撮影が趣味なんだし。」
「ほのおタイプの使い手らしく熱血漢で猪突猛進なのに、意外に腕とセンスがいいんだから。」
「何だとー!?」

レストランを後にした3人はホカホカとした様子で外に出た。


「………あ、雪。」
「冬だから仕方がないよな。」
「道理で冷えるわけだよ。………ホッカイロあったかな。ほい、サクラ。」
「あら、ありがとう。タクマ。」
「俺にはー?」
「てめぇは寒さに強いだろ!?こおりタイプの使い手なんだから!」
「うわあ、冷たいなあ。
ほのおタイプの使い手のくせに。」
「うるせぇ!」



「……………………ってあれ?」
「サクラ、どうしたの?」
「どうかしたのか?」

「あそこ、オドシシがいるわ。」
「………あ、ホントだ。」
「アローラには生息していないよな。」

パタパタと3人が駆け寄ると、1人の男性が困ったような顔をしていた。
「どうかしたんですか?」
「いやぁ、稼ぎ時だと言うのにワシのオドシシが体調を悪くしてな。
医者に見せようにも、もうしまっておるしのぅ………。」
「……ちょいと良いですか?……ああ、これただの風邪ですね。」

タクマはそういうと、鞄からポケモン用の薬を出した。

「これ、飲ませてやってください。元気になります。」
「おお、助かるな。お前さん、医者なのかい?」
「……あ、いや。親父がポケモンドクターでたまに手伝わされるんですよ。」

タクマから薬を受け取った男性はオドシシに、それを飲ませた。


薬の成分が効いたのか、オドシシはみるみるうちに回復した。

「おぉ、良かったな。オドシシ。」

「あくまでも応急処置なんで、今日は持ちますけど念のため明日、病院に連れて行ってください。
で、医者にこの薬を飲ませましたって。」

サラサラ、と紙に薬の中身を書いたタクマは男性に渡した。
「すまんなぁ。お礼をしたいんじゃが、多忙の身なんもんでな。
後で送るよ。」

「あ、いえいえ。そんな、ただ困った人は助けるようにって言われただけなので。」

「やるじゃん、タクマ。」
「そうね。さすがポケモンドクターの子供だわ。」
「うるせぇ、ヒロキにサクラ!恥ずかしいからやめろってんだ!」

「ホントにありがとう。タクマ君。」




続く。

ACT12-(9)

「……………何だ、このワインは…………。」
「…………滅茶苦茶度数が強いなぁ………。」
「…………………。」

「………あや達、言わんこっちゃない。姫宮は酒に弱いんだから、あまり無理するなって
言っただろう?」

「………五月蠅い。」

「はいはい、顔を赤くしているんだから無理しないの。明日の仕事に響くわよ?」

「………逆に何で智仁様は平気なのー?」

「あはは、僕は限界を弁えているからねぇ!
飲み過ぎると洒落にならんと、父親にさんざん言われたんだ。」

「いえ、ただ単にお義父様の教育が良かったからでしょう?」

「………………智仁様、半端ないなぁ……………。」

「旦那様、青桐様がご到着なされました。」

「………ああ、智久が来たのか。」

「はい。鶴丸様と一緒でございます。」


「お、皆して飲み潰れているのか?だらしないなー。」

「大方、上出来なワインを頂いたから遠慮せずに飲んだのでしょう。」
「……う………。」

鶴丸に指摘され、芳樹と満月はあはは、と苦笑する。

「それより外、雪が降っていますよ。」

「……え、ホント?」
「はい。」

「うわぁ……明日、もしかしたら雪かきかなぁ…………。」
「雪ー?」
「やったねー。かまくら作ろう!」
「雪だるまがいいな!」

「………子供の頃は無邪気だったけど大人になると、雪かきがしんどくなるわな………。」
「同感…………。」

「明日、皆さんのために温かい飲み物用意しますね。」

「満月ちゃんの優しさが身に染みる………。」


「お、そうだそうだ。うっかりしてた。皆、MerryChristmas!」
智久はそういうと手にしていたクラッカーを鳴らした。




続く。
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