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ACT13-(2)

「坂本ダンテと言いマス、よろしくお願いしマス。」
「立花直哉です、よろしく。」
「…………皆本吉光だ、よろしく頼む。」
「有明晴馬だ、よろしくお願いします。」
「み、宮本春花です、よろしくお願いします………!」

三百年の子守唄に登場する刀剣男士を演じるキャスト達が、桜庭市営文化ホールに集まった。

「おー、可愛い!物吉貞宗を演じるのかい?」
「フフフ、可愛い女の子がいるだけで空気が華やかになりまスね。」
「……team三条with加州清光とteam新選組with蜂須賀虎徹の両方に入っていた満月さんは大変だと
聞いていたが…………。」

「……せ、精一杯頑張ります…………。」
「肩の力を抜いてやりまショう。あまり力を入れすぎると、本番で失敗しマす。」
「あ、ありがとうございます、ダンテさん。」

「おー、女の子がいるー!やったぁ!」

桜庭市営文化ホールにやってきた芳樹と満月は春花を見るなり、テンションが高くなった。

「…………え、嘘、綿貫さんと姫宮さん!?」
「やぁ、遅れてすまないね。石切丸役の初瀬祐一という。よろしく頼むよ。
差し入れを持ってきてくれたんだ。」

「小籠包でーす。手作りの。」
「て、手作り………!?こんな本格的なものが………!?」

「人手はたくさんいるからね、具材包みはあっという間に終わったよ。
バラつきがあるのは勘弁してくれ。
不器用な守り刀もいれば、器用な守り刀もいるから。」

「いやいや、こういう心遣いはありがたい。」
「………ああ。」
「こういうのは気持ちが大事なんですよねー。」
「そうだな。」

小籠包を頬張りながら、ダンテ達はゆっくりと味わう。

「……うん、美味い。」

「美味しい………。」

「お、全員揃ったな。満月ちゃん、今回の楽曲は大丈夫かい?」
「ええ、大丈夫です!衣裳もバッチしですよ。」



演出家の不知火に声をかけられて、満月はガッツポーズをとる。

「でもあまり無理して倒れないでくれよ?季節の変わり目なんか特に倒れやすいんだろう?」
「あはは………それを言われると何とも言えないんですけど………。」


「お嬢様、無理をしても我慢するタイプですからね。」

飲み物です、と言って物吉は全員にペットボトルを渡した。

「お、守り刀の物吉貞宗かい?」
「はい、物吉貞宗です!
………あ、刀剣男士の物吉貞宗とは別人ですからね!?」

「え、あ、はい、そりゃそうですよねー…………。」


続く。

ACT13-(1)

冬休みも終わり、満月と物吉は聖ミカエル女学院に登校した。
「ごきげんよう、姫宮さん。物吉さん。」
「ああ、ごきげんよう。」
「おはようございます。」

生徒達と再会し、満月と物吉は他愛もない世間話に花を咲かせた。

HRが始まり、シスターが朝礼と礼拝を済ませた後、パンパン、と手を叩いた。
「では、今日から新しく入る転入生を紹介します。
………海堂さん、どうぞ。」
「はい!」
「…………はい。」
「海堂翡翠です、よろしくお願いします。」
「………海堂瑠璃です。不束者ですが、よろしくお願いします。」
2人が自己紹介をすると、生徒達はぱちぱちと拍手をした。
「………一卵性の双子か………。」
「そっくりですねぇ。
………あ、でもミラーツインですかね?前髪の仕分けが違いますね。」
「………あ、ホントだ。」
「席は姫宮さんと物吉さんの後ろですね。
皆さん、仲良くしてあげてください。」
シスターの言葉に生徒達ははい、と頷いた。

昼休みになり、満月と物吉は教室でご飯を食べることにした。

「………ね、姫宮さん。私と瑠璃、真剣乱舞祭観に行ったの。
凄かったよ。」
「え、そうなの?ありがとう。」
「………うん、皆カッコよかった。」
「………でも姫宮さん凄いね、現時点じゃ紅一点でしょ?
男の人に混じってやっているの、凄いカッコいいなって。」
「………別に凄くなんかないと思うけどなぁ………。」
「……………凄いと思うよ。昔、病弱だったんでしょ?
今でもたまに倒れるって聞いたけど大丈夫なの?」
「あー、それは大丈夫大丈夫。昔ほど頻度があるわけじゃないし。」
「そう?」
「………舞台で頑張るのも大事だけど、体も健康第一だよ?」
「うん。」
「あまり無理はしないでね。」

「…………ありがとう。」



続く。

明けましておめでとう。

「というわけで、ルリ。お年玉。」
「わぁい、ヒスイお姉ちゃんありがとう!」
病院の小児科病棟でヒスイは長期入院しているルリにお年玉を渡した。

「ヒスイ、悪いわね。貴方にだってお年玉あげたかったんだけど………。」
「トレーナー戦でがっぽり稼いでいるからいいの、ママ。
それに、幾らか負担できたんだし、これでようやく親孝行ができたわ。」
「……そうね、できた子で嬉しいわ。」

よしよし、と母親に頭を撫でられてヒスイは照れた。

「イーブイ、ラルトス。ルリの面倒見てくれてありがとうね。」

母親に声をかけられてイーブイとラルトスは良い返事をした。

「ホントにすまんな、ルリ。なかなか見舞いに来れんで。」
「仕方がないよ。パパもママも私の入院費を稼ぐために頑張っているんだもん。
それにお姉ちゃんが毎日、来てくれるから寂しくないもん。」

「あはは。まぁ、やることなすことやりきったら、あんたの見舞いぐらいしかやることなくなったしね。」

「うふふ、平和が何よりよ。それに小児科の皆、貴女の話に目を輝かせているもの。」

「そりゃ、ここに長いことおれば退屈になるのも仕方がないよね。」

「ヒスイお姉ちゃんの話、楽しいもん!」
「カントーからアローラまで旅をしたんでしょ?」
「まぁね。色んな人やポケモンにも出会ったし。」


「………………。」

「…………あれ?ナオヤ君、どうしたの?」

看護師に声をかけられて、ナオヤは吃驚した。

「…………ヒスイちゃんのお話、聞きたいの?」
「べ、別にそんなんじゃ…………。」

「聞きたいなら聞きたいって言えばいいのに、ナオヤ君ってば素直じゃないなー!」


「ホントだね!」
「う、うっさい!」


「……………いやあ、ツンデレって奴ね………。」



終わり。

謹賀新年

「明けましておめでとう、満月ちゃん。」
「明けましておめでとうございます、芳樹さん。」
「その振袖、似合っているね。」
「ありがとうございます。」

綿貫家にて、満月は振袖に着替えていた。赤色の布地が満月によく似合っている。

「じゃあ、初瀬神社に行こうか。」
「はい。」

初瀬神社に行くと、多くの参拝客で賑わっていた。

鳥居にお辞儀をして、参道を渡り、本殿に向かった3人は賽銭箱にお金を入れた。

「やあ、芳樹に満月ちゃんに物吉。明けましておめでとう。」
「明けましておめでとうございます、祐一さん。」
「祐一様、明けましておめでとうございます。」

「やぁ、満月ちゃんに芳樹君。それに物吉ちゃんも。」
「千春さん、明けましておめでとうございます。」
「満月お姉ちゃん、芳樹おじちゃん、明けましておめでとう!」

「……明けましておめでとう、千秋ちゃん。おじちゃんじゃなくて、お兄ちゃんって言って欲しいなぁ……。」
「えー、おじちゃんはおじちゃんで良いよぉ。」
「………祐一、どういう教育を施しているんだ?」
「失敬な。人前に出しても恥ずかしくはない教育を施しているだけだよ?」


あはは、と笑う祐一に芳樹は舌打ちをする。

「……まぁまぁ、千秋ちゃんと芳樹さんの歳は結構離れていますから、
おじちゃんって言われても仕方がないのかもしれません。」


「満月ちゃん………それ、ショックを受けるからやめてほしいなぁ………。」

「ねぇねぇ、芳樹おじちゃん。」
「な、何かな?」

「満月お姉ちゃんの帯を引っ張ってあーれー、とかやらないの?」
「家ではやるけど、外ではやらないかな。」
「ちょっと芳樹さん、千秋ちゃんに何てことを教えているんですか!?」
「………あ、ごめん。」」


「………新年早々、凄いスタートダッシュですね。」
「そうだねぇ。でも元気があっていいことだと思うよ?」





終わり。
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