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ACT3-(2)

昼休みになり、深愛と涼子は屋上に向かった。

「私もお邪魔してもいい?」
レジャーシートを広げていると、弁当箱を持った澪が屋上にやってきた。

「いいけど、食堂とかに行かなくていいの?」

涼子の問いに澪は首を横に振った。

「学校にいる時はアイドル活動しないの。
勉強に集中したいし。」
「あ、なる。ファンサはしないんだね。」
「ええ。………それに海堂さんとは1回お話したかったのよ。」
「へぇ、奇遇だね。私も。」
「…………パパがM計画の関係者だったの、知っているのね。やっぱり。」
「………だと思った。有栖川なんて、珍しい苗字だからあれ?と思ったんだ。」
「……………有栖川さんのお父さん、今はどうしているの?」
「16年前の事故の後遺症が悪化して死んだわ。
まあ、人の命を弄んだから、自業自得と言えば自業自得だけど。
…………防衛軍の総火力をもってしても倒せないゴジラを倒すためだけに
人の遺伝子に怪獣の遺伝子を組み込むなんてこと自体、間違っているもの。」
「………そうだね。確かに間違っていると言えば、間違っている。
でもそれだけ追い詰められていたって言うのも事実だけどね。」
「………パパが死ぬ間際に、未知の化合物質を使ってゴジラを殺したのを言い残したのよ。
海堂さんは知っている?」
「………聞いたことはあるよ。
科学者もろとも海の藻屑になったって。」
「…………じゃあ、それは今、もう作れないの?」
「世間に公表したら、防衛軍いらずになるじゃない。
それに、あらゆる生物を殺せるとなったらそれこそ世界規模の大戦が発展するわ。」
「……………そっか。じゃあ、M計画と一緒で内緒にしていた方がいいのかもね。
……ねぇ、有栖川さんは深愛のこと怖い?」
「まさか。パパの方が恐ろしいわよ。
怪獣の遺伝子を人間の受精卵に組み込むって言う発想自体が恐ろしいもの。
それに比べたら海堂さんはまだ可愛い方よ。
……いえ、どちらかと言えば被害者の方よね。」
「………まあ、私自身被害者だって思ったことはないけど。
あ、下の名前で呼んで?」
「わかったわ。私も下の名前で呼んでいいわ。
………でもほんとに普通の人間と変わりないわよね、こうしてみると。」
「それはどうもありがとう。………変身さえしなければもっと良かったんだけど。」



続く。
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