「……………何だ、このワインは…………。」
「…………滅茶苦茶度数が強いなぁ………。」
「…………………。」
「………あや達、言わんこっちゃない。姫宮は酒に弱いんだから、あまり無理するなって
言っただろう?」
「………五月蠅い。」
「はいはい、顔を赤くしているんだから無理しないの。明日の仕事に響くわよ?」
「………逆に何で智仁様は平気なのー?」
「あはは、僕は限界を弁えているからねぇ!
飲み過ぎると洒落にならんと、父親にさんざん言われたんだ。」
「いえ、ただ単にお義父様の教育が良かったからでしょう?」
「………………智仁様、半端ないなぁ……………。」
「旦那様、青桐様がご到着なされました。」
「………ああ、智久が来たのか。」
「はい。鶴丸様と一緒でございます。」
「お、皆して飲み潰れているのか?だらしないなー。」
「大方、上出来なワインを頂いたから遠慮せずに飲んだのでしょう。」
「……う………。」
鶴丸に指摘され、芳樹と満月はあはは、と苦笑する。
「それより外、雪が降っていますよ。」
「……え、ホント?」
「はい。」
「うわぁ……明日、もしかしたら雪かきかなぁ…………。」
「雪ー?」
「やったねー。かまくら作ろう!」
「雪だるまがいいな!」
「………子供の頃は無邪気だったけど大人になると、雪かきがしんどくなるわな………。」
「同感…………。」
「明日、皆さんのために温かい飲み物用意しますね。」
「満月ちゃんの優しさが身に染みる………。」
「お、そうだそうだ。うっかりしてた。皆、MerryChristmas!」
智久はそういうと手にしていたクラッカーを鳴らした。
続く。