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ACT1-(9)


…………そして。夜21時を過ぎ。

「さて、オドシシよ。体調は大丈夫かのぅ?」

男性………サンタクロースの言葉に、オドシシはすっかり元気になった声で鳴いた。

「そうかそうか。後であの3人にはお礼をしないとなぁ。
こおりタイプのキャプテンとエスパータイプのキャプテンに声をかけて貰わなかったら、
ホントに困ったところだったぞ。」

ソリに乗ったサンタクロースは手綱を握ると、ハイヤァ!と叫んだ。


……………次の日。

「お、おわぁぁぁああ!!」

「…………どうしたんだヒロキ。」
「父さん、母さん、このプレゼント、どうしたの!?」

「あ、いや………サンタさんから贈られてきたのよ。」
「お前が寝た後、インターホンが鳴って扉を開けたらサンタクロースですって言って、
これをヒロキに渡してくれって頼まれたんだ。」

「叩き起こしましょうか?って言ったんだけど、サンタさん忙しいからいいですって。」
「えー、お礼を言いたかったのになあ…………。」



「でもサンタさんってホントにいたのね………。」
「ああ、吃驚したよ。………サンタさんに何かしたのか?」

「あー……ちょっとオドシシが体調不良なのを見ただけなんだけど。………タクマが。」
「あら、そうなの?」
「うん。でも俺、何もしていない。」

「だけど、声はかけたんでしょう?良かったじゃない。」


「………ああ、ヒロキは良いことをしていたからな。
後でサクラちゃんに電話をしたらどうだい?
さっき、うちに電話かかってきたよ。」

「ええ、マジで!?うわすぐに電話しなくちゃ!!」


そういうとヒロキはポケギアを探しに部屋に戻った。


続く。

ACT1-(8)

「…………はー、食った食った。」
「美味しかったね、レストランのスペシャルメニュー。」
「………俺、邪魔してよかったのか?」
「仕方がないだろ、お前、俺達の写真撮ってこいって父さんと母さんに頼まれたんだろ?
写真撮影が趣味なんだし。」
「ほのおタイプの使い手らしく熱血漢で猪突猛進なのに、意外に腕とセンスがいいんだから。」
「何だとー!?」

レストランを後にした3人はホカホカとした様子で外に出た。


「………あ、雪。」
「冬だから仕方がないよな。」
「道理で冷えるわけだよ。………ホッカイロあったかな。ほい、サクラ。」
「あら、ありがとう。タクマ。」
「俺にはー?」
「てめぇは寒さに強いだろ!?こおりタイプの使い手なんだから!」
「うわあ、冷たいなあ。
ほのおタイプの使い手のくせに。」
「うるせぇ!」



「……………………ってあれ?」
「サクラ、どうしたの?」
「どうかしたのか?」

「あそこ、オドシシがいるわ。」
「………あ、ホントだ。」
「アローラには生息していないよな。」

パタパタと3人が駆け寄ると、1人の男性が困ったような顔をしていた。
「どうかしたんですか?」
「いやぁ、稼ぎ時だと言うのにワシのオドシシが体調を悪くしてな。
医者に見せようにも、もうしまっておるしのぅ………。」
「……ちょいと良いですか?……ああ、これただの風邪ですね。」

タクマはそういうと、鞄からポケモン用の薬を出した。

「これ、飲ませてやってください。元気になります。」
「おお、助かるな。お前さん、医者なのかい?」
「……あ、いや。親父がポケモンドクターでたまに手伝わされるんですよ。」

タクマから薬を受け取った男性はオドシシに、それを飲ませた。


薬の成分が効いたのか、オドシシはみるみるうちに回復した。

「おぉ、良かったな。オドシシ。」

「あくまでも応急処置なんで、今日は持ちますけど念のため明日、病院に連れて行ってください。
で、医者にこの薬を飲ませましたって。」

サラサラ、と紙に薬の中身を書いたタクマは男性に渡した。
「すまんなぁ。お礼をしたいんじゃが、多忙の身なんもんでな。
後で送るよ。」

「あ、いえいえ。そんな、ただ困った人は助けるようにって言われただけなので。」

「やるじゃん、タクマ。」
「そうね。さすがポケモンドクターの子供だわ。」
「うるせぇ、ヒロキにサクラ!恥ずかしいからやめろってんだ!」

「ホントにありがとう。タクマ君。」




続く。

ACT12-(9)

「……………何だ、このワインは…………。」
「…………滅茶苦茶度数が強いなぁ………。」
「…………………。」

「………あや達、言わんこっちゃない。姫宮は酒に弱いんだから、あまり無理するなって
言っただろう?」

「………五月蠅い。」

「はいはい、顔を赤くしているんだから無理しないの。明日の仕事に響くわよ?」

「………逆に何で智仁様は平気なのー?」

「あはは、僕は限界を弁えているからねぇ!
飲み過ぎると洒落にならんと、父親にさんざん言われたんだ。」

「いえ、ただ単にお義父様の教育が良かったからでしょう?」

「………………智仁様、半端ないなぁ……………。」

「旦那様、青桐様がご到着なされました。」

「………ああ、智久が来たのか。」

「はい。鶴丸様と一緒でございます。」


「お、皆して飲み潰れているのか?だらしないなー。」

「大方、上出来なワインを頂いたから遠慮せずに飲んだのでしょう。」
「……う………。」

鶴丸に指摘され、芳樹と満月はあはは、と苦笑する。

「それより外、雪が降っていますよ。」

「……え、ホント?」
「はい。」

「うわぁ……明日、もしかしたら雪かきかなぁ…………。」
「雪ー?」
「やったねー。かまくら作ろう!」
「雪だるまがいいな!」

「………子供の頃は無邪気だったけど大人になると、雪かきがしんどくなるわな………。」
「同感…………。」

「明日、皆さんのために温かい飲み物用意しますね。」

「満月ちゃんの優しさが身に染みる………。」


「お、そうだそうだ。うっかりしてた。皆、MerryChristmas!」
智久はそういうと手にしていたクラッカーを鳴らした。




続く。

ACT12-(8)

「…………まぁ、満月ちゃんの手作り?
これは美味しそうね。」

「わぁ、綺麗だー。」
「うん。」
「美味しそう!」
「だー。」

姫宮邸に帰ってきた満月は、美穂達にケーキとタルトを渡した。

「わぁい、満月の手作りだー!」
「上出来の良いワインも頂いたし、飲むとしようか。」

「あら、良いわね。ワインなんて。」

美穂がそう言ったのと同時にインターホンが鳴った。

使用人に荷物を預け、智仁が綾子と幸仁、幸子を連れ食堂に入ってきた。

「やぁやぁ、諸君!僕達を忘れるなんてどういう神経をしているんだい!?」

「げ、智仁!?何でこんなところにいるんだ!?」
「何でって、あやに誘われたからさ。」
「ええ、満月がケーキを作りすぎたということでご相伴に預かりに来たのです。」
「満月ねーねのケーキ、美味しいもんねー。」
「うん。」

「…………ったくまぁ、皇室はホントにヒマなんだな………。」
「いいじゃないか、クリスマスぐらい公務から離れたって。」

「ええ、そうですね。」
「そうですよ、綾子お義姉様の言う通りです、芳樹さん。」

「………まぁ、いいか。」


続く。

ACT1-(7)

「ひゃぁ、いつ来てもコニコシティは賑わっているなぁ。」
「ホントに………。」
ウラウラ島からアーカラ島にやってきたヒロキとサクラは、デートを楽しんでいた。

「………ヒロキ、ありがとね。デートに誘ってくれて。」
「そんな俺こそとんでもない。前は遠距離恋愛をしていたからね。」

「…………うん。」

「……………でさ、タクマ。何でお前がここにきているんだよ?」
「仕方がないだろ、お前らの写真を撮ってきてくれって頼まれたんだから。
内緒で尾行したら、返り討ちに遭うのわかっているんだしさ。
それなら最初から堂々としていた方がいいだろ?
………その、デートの邪魔をするのは申し訳ないけど。」
「………ホントに。ミツキさんとヨシキさんは子煩悩っていうか、親馬鹿なんだから。」
「…………いや、ホントにそう思うわ。子供の写真撮るなら自分達が行けばいいだろ?って。」

「甘いな、タクマ。父さんと母さんは2人きりになるとめちゃくちゃイチャつくんだ。」

「………そうかよ。」
「それよか、ここにはしまクイーンのライチさんがいるんだよ。
挨拶しに行っても大丈夫?」
「うん、私も挨拶しようかと思っていたから大丈夫だよ。」

「……へぇ、しまクイーンのライチさんか。どんな人なんだ?」


「………おや、ヒロキにサクラじゃないか。それにそこの子は………タクマって言うのかい?」

タクマがヒロキにライチについて聞こうとした時、当の本人がやってきた。

「あ、ライチさん!」
「こんにちは!」

「あ、はい。俺、タクマって言いますけど……何で知っているんだ?」
「ハラさんから聞いているんだよ。
毎度毎度、こおりタイプの使い手であるキャプテンに勝負を挑んではぼろ負けしている挑戦者がいるって。」

「………おいおい、ハラさん………そんなことを言っていたのか………。」

「まあ、外れてはいないな。」
「確かにね。的中しているもの。」


「何だとー!?」



続く。
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