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ACT15-(4)

喫茶店でパンケーキを堪能した芳樹と満月はアクセサリーショップに向かった。
「…………うぅむ、なるほどなぁ…………。」
満月とアクセサリーを交互に見ながら、芳樹は真剣に選んでいた。
「…………何か私よりも真剣に選んでいるね。」
「若旦那様、自分が選んだものでお嬢様を着飾りたいんですよ。」
「……………うん、独占欲全開だね。
まぁ、そういうところが好きなんだけど。」
「あはは、お嬢様も独占欲全開なところありますからね。」
「物吉ってば辛辣。」
「どうとでも言ってください。」
「…………満月ちゃん、ちょっと。」
「あ、はい。」

ひょい、と簪をあてられて満月はドキドキした。

「……………うーん、イマイチパッとしないな。
満月ちゃんが美人過ぎるのが悪いかも。」
「…………芳樹さんったら、もう。」

顔を真っ赤にする満月に店員はクスクスと笑った。

「贈り物ですか?」

「ええ、まぁ。オススメはありますか?」
「そうですねぇ。姫宮様は春生まれですから、こちらの商品が似合うんじゃないでしょうか?」

ずらりと並ぶ、春の花の簪に芳樹はなるほど、と呟いた。

「さすがは店員さんですね。」
「お褒めくださりありがとうございます。」

あれこれと悩む芳樹に満月ははぁ、と頬に手をあてた。
「………ホント、本人よりも真剣に悩むんだから………。
私、芳樹さんが選んでくれたものなら何でもいいのに。」
「愛されていますねぇ、姫宮様。」
「随分とお若いんですね。」
「そうですか?私、こう見えてもこの間還暦を迎えたばかりなんです。」
「嘘、全然見えない!?」
「私も旦那が愛妻家でしてね。
誕生日や結婚記念日以外の日でも花束をくれたり、プレゼントを貰ったりするんですよ。」
「へぇ………………。夫婦円満の秘訣はそれですか?」
「私も旦那にプレゼントを贈ったりするのですが、相手の方が1枚上手でして。
いつも驚かされるんですよ。」
「そうなんですか。」


ニコニコと笑い合う満月達をよそに芳樹は商品を手にとっては、うぅんと唸っていた。



続く。
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