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ACT1-(2)

満月と別れた一期一振は、道場に向かった。
そこでは兄妹分である藤四郎達が鍛錬をしていた。
「あ、いち姉ぇ!」
「乱、頑張っているようだね。」
「当然、僕はお嬢様の守り刀だもん!精一杯頑張らないと!」
「おうおう、言ってくれるじゃねぇか。乱、さすがは守り刀だな。」
「和泉守殿も鍛錬に付き合ってくださり、ありがとうございます。」

一期同様に新選組の中でも最古参である和泉守は堀川からタオルを受け取って汗を拭いた。
「…………で、お嬢様にまた婚約の手紙が届いたんだって?」
「はい。丁重にお断りしましたがこれで5件目ですね。」
「お嬢様には若旦那様という婚約者がいるのに、面倒くさいですね。
闇討ち暗殺します?」
「今のところは、丁重にお断りしているだけで済んでいるのでそれだけはおやめになられた方がいいかと。
……………ただ、大変なのが何もわからずに婚約を押し通す方々ですね。」
「………だな。
散々馬鹿にしておいた姫宮に女児が生まれた途端、掌返ししやがって
何考えているんだか。」
「綿貫は姫宮をあらゆる障害から守る代わりに女児が生まれたら、綿貫に嫁がせるという約束を
曾祖母の代からしていますからな。」
「でもまぁ、呪いとも言うべき感じだよねぇ。男児しか生まれてこなかったし。」
「だけど、綿貫も婚約者候補が色々いたりとかして大変だったし…………。」
「若旦那様も小さい頃から言いくるめられていたし、守り刀がいたから誘拐はされなかったとはいえ
人間不信になりかけましたから。」
「人間不信というか、女性不信?
自分で好みの女性を育てた方が手っ取り早いって思ったもんね。」

「…………でもお嬢様、大丈夫かなぁ………。」
「大丈夫ですよ。お嬢様には物吉殿がついていますから。」
「そうだね、物吉ちゃんがついているなら、大丈夫!」
「さ、ミーティングに参加しよう。皆がお待ちかねだ。」

「はーい。」




続く。
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