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ACT1-(5)

「うむ、この抹茶ラテマキアートは美味いな。
主、もう1杯頼んでもいいか?」
「あ、うん。いいよ。買ってくるからちょっと待ってて。」
そう言うと満月は席を離れた。

「………で、実際のところはどうなの?貴方、顕現する前の記憶とかはないの?」
「それがまったくわからん。気が付いたら俺は道路にいた。
それに主が気づき、俺の名を呼んだ。ただそれだけの話だ。
顕現する前の記憶はないな……いや、持っていないというべきか。」

「…………これは初耳だな、主。」
「ええ。でも資材もなしに鍛刀したわけではないから、ドロップという形になるでしょうけど…………。
貴方、厚樫山とかそこらに徘徊しているのが普通なのよ?」
「そうなのか?」
「ええ。でも話を聞く限りだと不慮の事故で落ちていたってわけでもないし…………。
ますますわからないわね。現時点では。
あの子、審神者の適正があるのは確かだけど。」
「本丸とやらを持たないのは正解なのか?」
「原因がわかるまでは持たないようにしたのは正しいと言えば正しいわね。
きっとあの子、自分で理由を追い求めるタイプなのね。」
「ほう、観察力が鋭いのだな。」
「うちのところの三日月にもよく言われるわ。
………ともかく、満月ちゃんは正式な審神者になっていない以上、時間遡行軍が狙ってくるかもしれないわ。
今のあの子の状態じゃ、増援を呼ぶのは難しいわ。」

「お待たせ、三日月。………何の話をしていたの?」

「何、今の俺達では増援が呼べないからな。しばらく1人で主を守らねばならん。」

「………まあ、そりゃそうだろうね…………。」

「じゃあ、私の本丸で鍛刀をするっていうのはどうかしら?
どのみち、本丸を手に入れることになるだろうし、鍛刀も慣れておけばいいんじゃないかしら?」
「あ、はい。ありがとうございます。咲良さん。」


続く。

ACT16-(2)

姫宮結人、直人、悠人。
姫宮グループの血縁者で綾人の弟達であり、満月の兄達である。
3人共綾人と幸人に負けないぐらいのシスコンであり、芳樹とは仲が良い。

「…………………お疲れ様でーす。」
「お疲れ!」
「お疲れ様ですー。」

俳優兼モデルとして活躍している3人はいつものように写真撮影をしていた。

「………いやあ、際どかったね今日も。」
「そうかぁ?」
「そうでもないと思うんだけどなぁ…………。際どいと思っているのはゆい兄ぃだけだと思う。」
「あ、そう。………俺だけか。」
「ちょいちょい、はる!結人兄さんがショックを受けてる!」
「いいんだよ、なお。どーせ、俺はそういうキャラさ。」
「わぁぁあ、悪かったって、ゆい兄ぃ!!」


「………今日も仲が良いのな、お前達。」

「あ、芳樹義兄さん!」
「よし兄ぃ!」

「お兄様達、お疲れ様です。差し入れを持ってきました。」

「わあ、ありがとう、満月!………うーん、この匂いはスコーンかな?」
「はい!お兄様達の好物なので、頑張って作りました。」

「満月の作るお菓子なら何だって好きさー。」
「そうそう。」
「妹の作る料理は世界中の料理人よりも美味いんだからな。」

「大袈裟すぎですよ、悠人お兄様。」

「………カッコいい父親に優しい母親、怒ると怖いあや兄さん。
でもって俺らの癒しである可愛い妹。うんホントサイコー!」

「…………ただの変態じゃないか、ゆい。」
「まあ、そこが結人お兄様の良いところですからね……………。」


「あっはは、妹に褒められて俺最強な気分!」
「最強じゃなくて最高な気分の間違いじゃない?」
「…………同感。」

「よーし、あや兄さんと幸人も呼んで、ご飯食べようぜ。
芳樹兄さんの奢りで。」
「何でそうなる。自腹を切れ、自腹を。」




続く。

ACT1-(6)

「…………………………よし、っと。」
ミツキは家を管理している初老の夫婦にカントー地方に到着したことを知らせるメールを送った。
ポケモンセンターの宿泊ベースで泊まることになり、ミツキはヨシキと一緒の部屋を取った。

「……緊張しているかい?ミツキちゃん。」
「とっても緊張しています。ヨシキさんは旅慣れているからいいけど、
私はアルトマーレを出るのは初めてだから。」
「そうだねぇ。ミツキちゃん、ようやく旅立ちを許されたからね。
でもミツキちゃんは中級トレーナーだから。」
「確かにそうですけど、まだまだな部分もありますよ。
ヨシキさんに比べて手持ちも少ないし。」
「まあ、それはこれからゲットしていけばいいさ。」
「……………はい。」

「じゃあ、おやすみ。ミツキちゃん。」
「はい、おやすみなさい。ヨシキさん。」


…………………そして、次の日。

「………………ふぁあ〜あ………………良く寝た…………。」

スヤスヤと寝息をたてて寝ているヨシキの隣で、ミツキは目を覚ました。

「ピカ、ピカチュウ!」
「ニャオ!」

「おはよう、ピカチュウ、ニャオハ。」

窓のカーテンを開くとまばゆい太陽光が部屋の中に入ってくる。

「…………あれ?もう朝かい?」
「はい。おはようございます、ヨシキさん。」

「おはよう、ミツキちゃん。…………良い朝みたいだね。」
「はい。昨日は曇り空でしたけど、今日は快晴です!!」


身支度を済ませ、宿泊ベースを出ると何人かのトレーナーが食堂にいた。

「おはよう、よく眠れた?」


「今日は良い天気だね。」


様々なトレーナーと会話をかわし、ヨシキ達は窓側の席に座った。


「…………さて、いよいよ今日はジム戦だね。その前に軽くウォーミングアップしようか。」
「はい、お願いします!」

気合を入れるミツキにヨシキはクスクスと笑った。


「あの子、可愛いね。」
「ホント、ポケモンも可愛いし。」
「ビギナーさんかな?」
「ちょっとちょっかい出してみる?」
「やめとけよ、彼女の隣にいるの、ひょっとしたらヨシキさんかもしれないぜ?
各地のチャンピオンと互角に戦ったって言う。」
「うっそ、そんな強い人と旅をしてんの!?」
「いいなぁー。」



「ヨシキさん、注目の的になってますね。」
「あはは、俺肩書には無頓着だからねぇ。」

「………………………………まあそこがヨシキさんらしいと言えばヨシキさんらしいですけど。」

「さて、朝ご飯を食べてウォーミングアップしようか。」
「……………もう、ヨシキさんは……………。」





続く。

ACT1-(5)

「さぁ、ポケモンフーズだよ。」

ポケモンセンターの中庭で、
ヨシキは自分の手持ちであるラティオス、ライチュウ、ルカリオ、トゲキッス、ガブリアス、エーフィと
ミツキの手持ちであるピカチュウ、ラティアス、ニャオハにポケモンフーズを与えた。

「ニャオハ、美味しい?」
「ニャッ。」

ポケモンフーズをパクパクと食べるニャオハの返事にミツキは笑顔を見せた。

「良かった、ヨシキさんの作るポケモンフーズは特別製だからね。
タイプごとに味を変化させているの。」
「お気に召したみたいで何よりだよ。」

「…………あ、誰か来るみたい。ラティオス、ラティアス。」

ミツキの言葉にラティオスとラティアスは光の屈折を利用して姿を消した。

「あ、旅のトレーナーさん?」

「わぁ、カッコいいなー!カントーじゃ見かけないポケモンばかりだ!」

「ピカチュウはよく見かけるけどー!」

「可愛いー!」

塾帰りなのか数人の子供達がヨシキとミツキに駆け寄った。

「お兄ちゃんとお姉ちゃん、何処から来たの?」
「アルトマーレってところからだよ。」
「あ、知ってる。ラティオスとラティアスの伝説で有名なところでしょー?」
「世界一美しくて歴史もある街だってせんせーが言ってた!」


「ねぇねぇ、この子ってライチュウなの?」
「そうだよ、アローラ地方で進化させたからね。
エスパータイプが追加されているんだ。
カントーじゃよく見るライチュウとは姿が違うけど。」
「アローラって凄いなぁ!」

和気藹々と会話をするヨシキ達をピカチュウ達はにこやかに見守りながら、ポケモンフーズを食べた。




続く。
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