朝ご飯を済ませ、旅の支度をした2人は管理人をかってでてくれた初老の夫婦に挨拶をして、
家を後にした。
ラティオスとラティアスをボールに入れ、2人はアルトマーレの港に向かった。
定期船に乗ると、ピカチュウはミツキの膝の上に乗った。
「ピカチュウ、モンスターボールに入るのが嫌いだもんね。」
「ピカピカ。」
「ミツキちゃんの膝に乗るなんて、羨ましいなぁ…………。」
ヨシキがそういうとピカチュウは頬にバチバチと電気を溜めた。
「あはは、冗談だって。こんなところで10万ボルトは受けたくないよ。」
出発時刻になり、定期船は港を後にした。
「…………行ってきます、アルトマーレ。」
………………………数時間もの時間をかけて、ミツキとヨシキはカントー地方に到着した。
「おお、君達がヨシキ君にミツキ君か、待っていたぞ!」
カントー地方の港町に定期船が到着すると、オーキド博士が待っていた。
「初めまして、オーキド博士。お会いできて光栄です。俺はヨシキです。」
「アルトマーレから来ました、ミツキと言います。」
「ピカピカ。」
礼儀正しく挨拶をするヨシキとミツキ、そしてピカチュウにオーキド博士はうむ、と頷いた。
「アルトマーレと言えば、ラティオスとラティアスの伝説があるがやはり今でも来ているのかね?」
「そうですね………2匹とも光の屈折とかを利用して人間に化けることができるので、パッと見た感じは
わからないですね。」
「ただ、体温が低いですからね………後、喋ることができませんし。」
「うむうむ、それは仕方がないことじゃの。
ポケモンと人間は意思疎通ができても言語が違うからのぅ。
さて、ワシの研究所へ行こうか。」
「はい!」
続く。
「……………ちゃん、ミツキちゃん。朝だよ、おはよう。」
「………………ひゃい!」
ベッドでスヤスヤと寝ていた少女、ミツキは同棲している恋人、ヨシキの声で目を覚ました。
「……………おはようございます、ヨシキさん。」
「うん、おはよう。ミツキちゃん。朝ご飯、できているよ。」
「はーい。」
ミツキが着替えを済ませると、彼女の相棒であるピカチュウが駆け寄ってきた。
「おはよう、ピカチュウ。」
「ピッカ!」
「そういえば今日でしたっけ。旅立つの。」
そう、今日はヨシキとミツキがアルトマーレを発つ日である。
アルトマーレで生まれ育った2人はいつか一緒に旅をしよう、と決めていた。
それが今日なのである。
「はい、ミツキちゃん。」
「ありがとうございます。…………ところでラティオスとラティアスは?」
「ミツキちゃんの後ろ。」
「………へ!?」
「キュウっ!」
透明化していたラティオスとラティアスが姿を見せ、ミツキは椅子から落ちそうになった。
「…………もう、2人とも、驚かさないでよ……………。」
2匹とも通常色とは異なる色違いだが、仲睦まじいポケモンである。
ヨシキとミツキ以外の人前ではなかなか姿を出さない。
だがこれからはそうも言っていられない。一緒に旅をするのだから。
「……………朝ご飯を食べたら出発の準備をしよう。」
「…………はい!」
続く。
ポケットモンスター、縮めてポケモン。
この星の不思議な不思議な生き物。
海に、森に、街に。
その種類は100,200,300。
いや、それ以上かもしれない。
水の都、アルトマーレ。
昔々、2人の兄妹が傷ついた状態で港に倒れていたところを老夫婦に救われた。
そして老夫婦の懸命な手当てで兄妹はみるみるうちに回復していった。
ある時、街に災害が訪れる。
老夫婦に危機が迫った時、2人の兄妹は<むげんポケモン>ラティオスとラティアスに変化する。
2匹のポケモンは仲間を呼び出し、<こころのしずく>という宝石を使い災害を追い払った。
老夫婦に宝石を託した後も、2匹は度々アルトマーレに立ち寄ったという。