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ACT17-(4)

「…………闇呪に蝕まれているのか。」
「みたいですね。」
綾音の話を聞いた芳樹と満月の2人は病室に戻ると、ため息をついた。
「夢の世界に入って、現物を見てみないと何とも言えないけどね。」
「そうですねぇ。」
「とにかく、早いうちに手を打った方がいいな。
どうせ、2週間やることもないんだし。」
「はい。」
「満月ちゃん、準備はいいかな?」
「もちろんです、芳樹さん。」


夜になり、消灯時間となった病院で満月は魔法陣を展開した。

「………………さて、それじゃあ出発するとしますか。」
「ボランティア活動はあまり好きじゃないんだけどなぁ、そうも言ってられないね。」
「芳樹さん。奉仕活動はちゃんと参加しないとダメですよ。」
「満月ちゃんがやるなら、俺もやるんだけどねぇ。」

そう言って、2人は綾音の夢の世界へ向かった。


「……………おじいちゃん、大丈夫?」
夢の中で綾音は闇呪に侵食されている祖父を心配していた。

「………ばあさんは息災か?無事にやっていけれているか?」

「それ、この間も聞いたよ。でも私、退院できないからおばあちゃんの様子見に行けないって!」

綾音はそういうが、祖父の体を蝕む闇呪はさらに食い込んでいく。

「…………おじいちゃん!」

「綾音ちゃん、待って!それに触っちゃ駄目!」

苦しそうにうめく祖父に近づこうとした時、綾音を制止する声が聞こえた。


「………満月お姉ちゃん!?それに芳樹お兄ちゃんも!」

芳樹は綾音の祖父に近づくと、庭師の鋏を召喚した。
そして、祖父から闇呪を斬り離した。

「もう大丈夫よ、綾音ちゃん。これでお爺様はもう苦しまないわ。」
「…………どういうこと?」

綾音の祖父から切り離された闇呪は、人間大のサイズに変化した。

「…………さて、ここからが勝負だ。大人しく斬られると良い。」




続く。
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