「……………マジか?」
「マジよ。嘘をついてどうなるの?」

「これはめでたいな。婚姻届けを早めに出さなければ。」
「そうね。早めに出しちゃいましょうか。」

とある夏の日のこと。
美穂は綾人におめでたを告げた。

「そうか……私はパパになるんだな…………。
お義父さん達には?」
「これからよ。きっと喜ぶでしょうね。」
「ああ、間違いなく喜ぶさ。」

「式も挙げなければなぁ……………。」
「どうせなら、おばあちゃんが着ていた花嫁衣裳を着たいわ。
お腹がパンパンになる前に。」
「そうだな。いや、そうかそうか………。」

美穂のお腹に手を当てて、綾人はこの上ないぐらいの幸せな表情をした。

「…………絶対幸せにするから、元気に生まれてくるんだぞ。」
「あら、頑張って産むのは私の仕事よ。」
「………む、そうだな。」


「………そうかそうか、おめでたか!よくやったぞ、美穂!」

美穂から連絡を受けた孝一はひゃっほー、と喜んだ。
「父ちゃん、喜びすぎ。」
「あら、颯太だって喜んでいるじゃない。」

「いやだって、家族ができるんだろ?すげー、嬉しいよ。
男の子かな?女の子かな?」

「どちらにしても初孫になるもの、楽しみだわぁ……………。
さて、結婚式の準備をしなくちゃね。」
「そうだな、誰を呼ぼうか………………。」



続く。