義魂丸を使い、現世の人間にも見えるようにした咲良はスクランブル交差点の近くにある公園に移動した。

「………で、何で君までついてくるのかな?」
ちょこちょこと後ろについてきた花蓮に咲良はため息をついた。

「だってお礼言いたいんだもん。助けてくれてありがとうって言ってなかったし。」
「……………ホントに娘を助けてくれたみたいで、ありがとうございます。」
「娘さん、霊感を持っているんですか?」
「えぇ、事故に遭った影響なのかどうも視えるみたいで。」

「(あの時の事故の影響か…………。うーん私も生前視える方だったしなぁ………。
伝染しちゃったのか?)」

「………お姉ちゃん、どうしたの?」
「あ、ううん。何でもないよ。………事故って?」
「高齢者が車を暴走させて、散歩中だったこの子の方に突っ込んできたんです。
帰宅途中の女の子がこの子を突き飛ばしてくれたおかげで、軽傷で済んだんですけど、
その子は即死だったみたいで………。確か小鳥遊咲良さんだったかしら。」
「あ……ちなみに小鳥遊さんちのご家族ってどうなりました?」
「……娘さんを亡くしたショックでお母様が病院に入院したとかで。
旦那さんと死に別れた上に、娘さんまで先に逝かれたから………。」

「………ちなみに何処の病院に入院しているか、わかりますか?」
「空座総合病院だったかしら。」
「ありがとうございます。」
「…………いえ、これ以上のことはわからないからごめんなさいね。」
「あ、いえ。十分です。じゃあ、私はこれで帰りますね。」

「バイバーイ、お姉ちゃん!」


花蓮と別れた咲良はすぐに尸魂界に連絡を取った。

「………あ、すみません。小鳥遊です。実は聞きたいことがあって……………。」



続く。