世界と世界を結ぶ通路の中を突き進んでいくなかで満月は赤い光を見た。
『…………我は炎を司る者の主。汝に呼ばれ、ここに導かれた。』
「……私が呼んだ?」
『力が欲しいか。』
「………うん。欲しい。」
『ならば、我を必要とする時は我を呼べ。我は必ず汝の元に来る。』
「………ありがとう。」




「………ちゃん。」
「……………。」
「………月ちゃん。」
「……………。」
「…………満月ちゃん。」
「はい、起きます!」


芳樹の声で満月は体を起こした。
上半身を動かすと、自分はどうやら布団に寝かされていたらしい。

「お、目が覚めたか。これで全員起きたな。」
「はい。」

「……ああ、ワイは有川空汰。
こっちはマイハニーの。」
「有洙川嵐です。」
「初めまして、姫宮満月と申します。
不束者ですが、よろしくお願いします。」


「俺は綿貫芳樹です。」
「青桐智久だ、よろしく頼む。」
「侑子さんには世話になっているさかい、ワイらもきっちり面倒みたるで。」
「ありがとうございます。」
「………で、単刀直入に聞くが今この世界で何が起こっているんだ?」
「ああ、そうやな。早速やけど、本題に入ろうか。」



続く。