「だー、ちきしょう!どうして勝てないんだ!?」
「だから、思考がワンパターン化しているから読みやすいんだってば。」
いつものように、試練の挑戦をしにきたタクマにヒロキはそう言った。
「まったく、いい加減戦術変えたらどうだ?」
「五月蠅い。俺には俺の戦術があるんだ。猪突猛進で結構だよ。」
「自分では言わないんだけどなぁ……………。」
ユキメノコとグレイシアをなでなでしながら、ヒロキはタクマに言った。
「…………………ところでさ、お前。新年の初夢見たか?」
「見たよ。サクラと一緒にデートする夢だった。実現させるけどな。」
「何をぅ!?どちくしょう、俺なんて女の子にフラれまくる夢だったんだぞ。」
「いや、知るかよ。お前の性格じゃ彼女できないだろ、一生。」
「一生とか言うなよ、最悪だな!」
「………そういえば、悪夢と言ったらダークライって知っているかしら?」
にょき、と出てきたミツキにタクマは悲鳴をあげそうになった。
「ダークライって悪夢を見せるポケモンですよね?
でも自分の身を守るためにやっているのに、誤解されて可哀想な奴って思っているんですけど。」
「アブソルだって災いを知らせにきただけなのに、災いを呼ぶ不運なポケモンだよなぁ。
風評被害って奴?」
「………実はね、ハラさんから連絡があったのよ。
どうもこの地方にダークライが来ているみたいで。」
「…………何で?ダークライって言ったらフツー、シンオウ地方じゃないですか?」
「それはダークライに聞いてみないとわからないわよ。
で、とりあえずキャプテンやしまキング、しまクイーンに声をかけて
探してもらっているんだけど、見つからなくて。」
「探してどうするんですか?」
「人々に誤解される前に保護しようって話なのよ。」
「なるほど。」
「………なら、サクラにも声をかけないとな。シンオウ地方じゃ、
クレセリアのみかづきのはねで、ダークライの悪夢を追い払ったらしいから。」
「………え、サクラ、クレセリア持っているのか?」
「持っているよ?」
「………でも相性的にクレセリアの方が分悪くないか?」
「そこはほら、長年の経験がものを言うんだよ、タクマ。」
「……………そうか?」
「そうだよ。」
続く。