「………ねぇ、あれって綾人さんじゃない?それに芳樹さんと満月ちゃんも!」
「………え、ホント!?」
「うわあ、本物見られるなんて超ラッキー!」
「今日はWデートなのかな?」
桜庭市にある商店街を歩いている4人は通行人に何度も振り返られた。
「今日はどう過ごす?」
「ウィンドウショッピングも悪くないわね………何処かカフェに行ったりして、
それでもって、夜景とか見られたらそれで充分よ。」
「そうですねぇ………。」
「満月ちゃんも義姉さんもロマンティックだなぁ。」
「良いじゃないか、ロマンティックなところがあって可愛いと思うが。」
「…………だな。」
「となると、最初はブディックに行くか。」
「そうだな。」
芳樹と綾人は満月と美穂を連れ、何軒も服屋を回った。
試着する美穂と満月に鼻血を吹き出しながらも、綾人と芳樹はカメラに収めた。
「…………若旦那様、綾人様。血を吹き出すのはどうかと………。」
「…………物吉、聞く耳持たんから意味ないと思うぞ。」
「…………うん。」
荷物係として駆り出された物吉の突っ込みに、小狐丸と鳴狐はそう呟いた。
「………でも楽しそうで何よりだな。」
「そうですねぇ。」
「………ホント。ここ最近、忙しかったから。」
続く。