「………さて、イルカショーもあるから早めに昼食を摂るか。」
「さんせー!!」
アクア・ファンタジアにあるフードコートに立ち寄った芳樹達は席を取った。
「美花と美鳥、美風はお子様ランチでいいかな?」
「うん、お子様ランチでいいよ!」
「私もー!」
「あら、ここには離乳食もあるのね。助かるわ。」
「満月ちゃんは何が良いかな?」
「芳樹さんと同じモノでいいですよ。」
「注文を取ってくるから、ちょっと待っていなさい。」
「はーい。」
芳樹と綾人が注文口に行くのを見送り、満月達はクスクスと笑った。
「………あ、ペンギンさんだ!」
「お散歩タイム?」
よちよち、とフードコートを歩くペンギン達に美花と美鳥は目を輝かせた。
「可愛い!」
「うん、可愛い!」
ペタン、と1匹がこけると他のペンギン達が何だ何だ、という顔をして止まった。
「仲が良いんだね、ここのペンギンさん!」
「今こけちゃった子は近いうちに他の動物園に嫁入りするんですよ。」
「…何か満月お姉ちゃんみたいだね。」
「うん、芳樹おじちゃんのところに嫁入りするから一緒だねぇ。」
「………ペンギンと一緒にしないで……いや、間違ってはいないんだけど………。」
「………何が?」
「美穂、何があったんだ?」
注文を取ってきた芳樹と綾人は肩を震わせて笑っている美穂に声をかけた。
「何でもないわよ…………。」
続く。