「………ここがムーンセル・オートマトンの中にある霊子虚構世界SE.RA.PHか…………。」

姫宮満月は地球と何ら変わりない空間であることに驚きつつも、SE.RA.PHの中を歩いていた。

中世ヨーロッパを意識したかのような空間に、満月は1人歩いている。

「お、あいつも聖杯戦争の参加者か?」
「まだ年若いな。10代後半か?」
「この世界にアクセスしたら勝利しないと、帰還することできないのにな。」

「(随分とまぁ好き勝手言ってくれちゃって………。この体は分身体なんだけどな………。)」

NPCの言葉を無視し、満月は召喚の儀を行う場所に移動した。


「………………ようこそ、SE.RA.PHへ。召喚の儀を行いますか?」

「お願いします。」

AIの言葉に従い、満月は召喚用の魔法陣の上に立った。

「素に銀と鉄、礎に石と契約の大公。
降り立つ風に壁を。四方の門は閉じ、
王冠より出で王国に至る三叉路は循環せよ。
閉じよ(満たせ)、閉じよ(満たせ)、閉じよ(満たせ)、閉じよ(満たせ)、閉じよ(満たせ)
繰り返すごとに5度、ただ満たされる時を破却する。

…………告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄る辺に従い、この意この理に従うならば応えよ。
誓いを此処に 我は常世総ての善と成る者 我は常世総ての悪を敷く者
汝三大の言霊を纏う七天 抑止の輪より来たれ 天秤の守り手よ………!」




召喚用の呪文を口にし、満月はサーヴァントを呼び出した。


「…………問おう。貴女が私のマスターか?」



続く。