メトロポリスにある私立高等学校に、ヒカルとヒビキの姿があった。
「……………ねぇ、あれってGUTSのイルマ隊長じゃない?」
「ホントだ、娘さんいたんだ。」
「てっきり娘さん、TPCの隊員養成学校行くかと思っていたけど…………。」
「さすがに自分の娘を隊員にしたくはないんじゃない?
だってほらさ、奥さん、12年前の事件で亡くしているし………………。」
「ちょっと、こういう日にそう言う話は止めなってば。
本人に聞こえたらどうするの?」

正門玄関でクラスの発表がされ、ヒカルは1年A組であった。
「………A組か。」
「まぁ、何処でもいいんじゃないかなー?あんまこだわらないし。」
「じゃあ、俺は保護者受付のところに行ってくるから。」
「うん。じゃあ、また後で。」

ヒカルとヒビキはいったん別れ、ヒカルは教室に向かうことにした。
教師が教室に入り、入学式について説明した後、ヒカル達は体育館に向かった。

入学式は何事もなく進行し、無事に終了した。

教室に戻った途端に新入生達は互いに自己紹介をし、グループを作る生徒達もいた。

「…ええっと、マドカ・ヒカルさん?」

「うん、そうだけど。」
「マドカ・ダイゴさんの曾孫なのよね?火星で花を栽培してた。」
「あ、うん。」
「凄いよね、マドカさんもそういう方面の進路って考えているの?」
「うーん、まだ考えてはいないかも。
曾おじいちゃんの研究もやってはみたいけど、自分のやりたいことってまだ決まっていないから。
高校生活で進路が決まればいいんだけど。」
「そっか。」

「でもさ、てっきりTPCの隊員養成学校行くかと思っていたけど。」
「父さんが反対しているんだよ。俺の跡なんて継がなくていいとか言っちゃってさ。
自分の娘が部下になるのは嫌なんだって。」
「あー、わかるわぁ。戦場に出て欲しくないもんね。」
「そうそう。無難な人生を送ってほしいって。」

「なるほどねー。」

和気藹々と話をしてくる同級生にヒカルはクスクスと笑った。


続く。