その後も甘味処巡りをし、気が付けばすっかり日が暮れていた。

「あー、楽しかった。」
「そうですねぇ…………。」
「何かお邪魔しちゃってごめんね、芳樹さん、満月ちゃん。」
「いやいや、大丈夫だよ。満月ちゃん、単騎出陣前の良いモチベーションアップになったし。」
「あははは……………。」
「…………単騎出陣、見に行くからね。私。」
「俺、毎日行こうかな。」
「いやいやいや、初日と千秋楽だけで良いですってば。」
「若旦那様、お嬢様のことを溺愛していますからね。」
「芳樹さん、仕事も真面目にしてくださいよぉ!」

もぅ、とぷりぷりとした顔をする満月に芳樹はあはは、と笑うとポンポンと頭を撫でた。

「満月ちゃんのことが大好きだからねぇ。」
「………いいなぁ、私も恋愛したーい。
芳樹さんみたいな人、いないかなー?なーんて。」
「………芳樹さんは渡さないからね。」
「わかっているよ、満月ちゃん。
芳樹さんは満月ちゃんのもの、満月ちゃんは芳樹さんのものだもんねー?」
にんまりと笑う春花に満月はむぅ、となった。

「もう、春花ちゃんは……………。」


続く。