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嫉妬。




少しでも、侵食していく、

理解不能な思念を除くべく、

宛てなく、遮られた視界の、

暗闇の散策を試みた。




ドロリとした、薄気味悪い粘着物、

訳もなく、安堵を担い、

脈絡もなく、其処にうずくまる。




掻き毟る様な、憤慨?

引き契る様な、苦痛?

もぎ取る様な、空虚?




アレは、何処から生まれるのだろう。

一瞬の残像を其処で映し出し、

其処から漏れ出す、不可思議な感覚に襲われ、

噛み砕く様な、鼓動の高ぶりに、

瞬時に不快感を覚えた。




アレは、僕には危険すぎる。




其れを僅かでも瞼の裏に焼き付けた時、

僕は総てを切り刻んでしまいたくなる。




あの光景は毒々しい。




この、常に誘われ、引きずられる、

破滅の感情は。




―紛れもなく。

世界。




何れ訪れる終焉であっても、

私には其れだけが救いの材料だった。


「さよなら」を紡ぐには、残酷で、

「永遠」を誓うには、脆く、

ただ、過ぎ行く時を無常に、

感じていく術だけが、私に与えられていた。






愛しいと何度想った事たろう。




私の生活は何時だって貴方次第で、貴方の些細な言葉、表情に一喜一憂を強いられる日々。


悲しみに打ちひしがれた過去も、一つの幸福として息付いて居られた。



総ては「愛してる」という、形無いものに捕らわれて離れなかった。



「もう、疲れたんだ」



強い想いは当事者は深い愛情と確信していても、其れは貴方にとって束縛となり、重い枷となって苦しめる。



愛は何時でも不均等。
互い平等な愛情を持ち、互いに支える可能性は無に等しい。



貴方の去り行く様は、永き時を経ても褪せる事はない。
其れは今でも貴方に愛しさを感じているから。




……悲しい残像は脳裏を駆け巡り、消え失せる選択肢は無い。



「……だって愛していたのだもの」



愛情を計りに掛けて、適度に放つ器用さなんてなかった。
私は貴方を常に求め、片時も離れたくない衝動に駆られて…コントロールなんて出来る筈もない。



セーブ出来る愛なんて、偽物の感情にか思えないでしょう。






「……眠い」





眠る時間が長くなる。


眠る事で精神の安定を計り、貴方との幸せな時間を、何時までも色濃く残していきたいから。



視界に入るものは夢で、この朧気で断片的なものこそが、今訪れている現実世界なのだ、と。



そうして心の均衡を計っている。










「さよなら」を言葉にしたら、何もかも終わってしまう気がした。


この世の幸福は、貴方を中心に廻っていて、

其処で生き、死ねる私は、






世界で一番恵まれていると、今でも信じてる。

依存症。



掻き毟る劣情は私を醜悪にさせた

歪曲した愛情は私を孤独にさせる

安定した日常は私に失望を与える



絡み合う視線

退ける愛しさ

背中合わせの憎悪



停止させたい物程其れは複雑さを増していき

私を狂わせ惑わせ貶めていく



嫌悪がこの身を包んで

貴方に依存する現実から解き放たれたならば

其れも一つの幸福なのかもしれない

軸。



私が貴方に、心底愛情を募らせている様に、

貴方も私に、微かでも愛しさを感じてくれていれば、良い。



其の、無機質な温もりは、

常に私に気力を漲らせ、

貴方と関わりを持つ現実が、

更なる、貴方への穏やかで、また、

激しい愛慕という真実を与えていく。



この身、朽ちるまで、

貴方が、私の両の瞳から消え去る時が訪れ、

貴方への、今培われている、

"愛しさ"という生きがいが閉ざされる未来まで、



生きる事、

愛する気持ち、

傍で絶やさぬ微笑み、

ありのままを、



総て、貴方の為に。
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