もうかれこれ
3日くらい返事をしてなかった
それは君への反抗なのかなんなのか
自分でもわからないけど
このひとはたぶんわたしからの返事がなくたって
きっと平気なんだろうなって
だけどすこしは気になってよって
どこかでそう思ってた
昨日とか今日はどこでだれと一緒にいるんだろうって
だれにどんなカオしてくっついてるんだろうって
あの綺麗な瞳で見つめてるのかって
勝手に想像する
つよい嫉妬はないけれど
保険みたいにそう考える
保険があると大丈夫なんておもってる
そしたらだんだん麻痺する
かなしいとかはあんまりない
こんな考え方をするから
期待しないし信用しないし
心の底からはすきになったりしないんだとおもう
でも
君のセリフのたった1個くらいが
君の態度のたった1個くらいが
わたしの弱いところにひっかかって
そういう風にさせてるんだよって
強気でいてみようかな
君に可愛いって言わせる方法も
夢中にさせる方法も
じつは知ってるのに
もっとすきにさせる方法だって
ほんとは知ってるのに
猫をかぶれないし犬にもなりたくない
わたしはわたしのままでいたい
わたしのままのわたしを
あなたのままのあなたが
ちゃんと面と向かって
愛してみてほしい
照れたままでいい
声もちいさいままでいい
不器用でいいし
すこし強がるしかなくてもいい
そのままでいいの
このへたくそなふたりが
がんばって向き合うみたいな恋が
なんだかとても綺麗でうれしいの
6月も無事会えて
助手席に座れて
歩いてほたるさがせて
うれしかったときのきもち
短いけれど
即席で日記つけてたみたい
今読んでももう忘れてるけど
書いとこう
ほんとうれしそうだよな
右腕だけでだきついた
それから会いたかった?って聞いた
会いたかったのは
わたしの方なのに
並んで歩いてるだけでしあわせ
ほんとに
しあわせ
しあわせなんだよ
この3日が
ゆっくりゆっくり過ぎればいい
後輩とお寿司をたべた
一年とか、もっと前からか
行こうって言ってたのがやっと叶って
楽しかった
可愛い可愛いだいすきな後輩
かえりみち
夜風があまりにも気持ちよくて
やさしくって
虫の音がきこえてきて
おもわず
いや、おもわずでもないのか
君がでてきて
となりにいるようなきがして
心臓がぐっしゃりしめつけられた
考えたら
今日はまだ水曜日で
あれからまだ
たったの3日しかたっていなくて
約束の日は
こんな夜をあと20回くらい越えないと
やってこないと知って
また心臓をぎゅってされた
わたしはまた
いつのまにこんなところまで泳いできたのか
自覚がなくてさ
つらいな
いま帰れなくて座っている
公園のベンチには
つないでくれる手も
抱きしめてくれる腕も
もちろんなくて
そろそろ夜風が冷たいのに
まだ、帰れそうにもない
ななめうしろには綺麗な灯りの
素敵なお店があるんだけど
こんな顔して入れない
やだな
ほんとやだ
無意味にかなしくて
こんなかっこわるいかなしみ
笑ってしまおうか
そう思えるだけまだ
わたし強くなったな
歳を重ねると強くもなるよな
勝手にたくましくもなるわな
でも弱いところも
どうしよもないところも
全然変わらずにあるよな
ほんとうにかっこわるくて
なにをそんなに
がんばって生きてるんだろうな
いつもいつも
わたしは強がるばかりで
そして一生懸命
愛してしまったひとにしがみついて
生きてるよな
生きてるんだよな
ほたるを見たあと
そのままキミの家へ向かった
“ただいま”
わたしの家じゃないけどそう言って入った
まだここへ来るのは2回目なのに
おじゃましますって気持ちじゃなかった
今まで男の人の部屋に入ることって
そう多くもなかったけど
そのなかで好きな部屋って
今まで一回もなくて
だけどここは唯一
わたしの好きな
男の人の部屋だと思った
ほどよく片付けられた部屋には
ベッドとギターと
ちいさなテーブル
それから君に似合う服がかかってる
カーテンがいつもふわふわ揺れていて
外にはのどかな景色がひろがる
すぐ近くに水路が見えて
その水音が部屋いっぱいに響いてる
近くに田んぼがたくさんあるから
無数のかえるのなきごえがする
水の音もかえるも大好きなわたしとしては
どれもこれも心地よさでしかない
窓辺に座ってレースのカーテンにくるまって
そんな景色をぼーっと眺めるのがすき
ここへ来たらいつもそうしてしまう
こんどはこの家の周辺を
ひとりで探索してみようかな
そんなことを考えてた
部屋に入るなり
我慢できないみたいに
いつもじゃれてくる彼
こうやって部屋に連れ込む女の人が
ほかに何人かいるのかもしれないけど
女がつかうものはこの家に
なんでか何ひとつなくて
扉になっている歯ブラシたてには
君の歯ブラシと
わたしの歯ブラシしかない
戸棚にはわたしが開けた
誰も使ってないコットンしかない
不思議だな
ここには誰も来ないかわりに
君が遠征してるのかな
君とさよならしたあとには
そんなことを考えてしまうけど
君と会ってる間は
そんな邪念はでてこないね
寝そべったままこっちを見上げる君と
上から見下ろすわたし
まっすぐ離さない君の目が
いちばん綺麗で
それがすべてだから
そんな君の目を
わたしもまっすぐに見つめて
離さないんだ
わたしの歯ブラシが
ケースに入ってないとき
歯ブラシは?って聞いてきた君
ただ入れ忘れてただけだよと思いながら
なんで聞いてきたのかなって考える
わたしがトイレのドアを開けっぱなしにする癖を
指摘して笑ってくる
わたしがいつも電気消してって言うから
言われる前にもうちゃんと消してくれる
くっつこうとしたら
それ以上のちからでくっついてくる
今はやめて、なんて
されたことがない
他の人にはよくされたよなぁっておもいだす
だから
無表情で口数の少ない君の
行動とか態度がちゃんと優しくて
わたしはうれしくて安心するんだ
好きなのかなって
そんなことば
結局聞けなかった
でも好きじゃなかったら
こんなところまで来ないし
そんな顔もしないよ
7の月には
花火をしようって
約束した
三日間
手をいっぱい繋いだ
君の手が
わたしの手に
絡まった
それがわたしは
なにより
嬉しかった
ほたるを探しにいくときから
帰りの車のなかまで
ずっと
わたしの手が
君の手を探したら
すぐにきづいて
ぎゅって捕まえて
離さないでいてくれた
一番安心した
そうやって手を繋ぐのも
わたしを目を真っ直ぐに見るのも
優しくするのも
冷たくするのも
それらは君の
一体どんな
どんな感情で
人を好きになったことが一回もない君の
一体どんな感情なのかを
想像しても
君の感情は
わたしのなかにはない
君だけの感情だった
ギターの音も
君の瞳も
本を読む横顔も
いままでで一番綺麗だった
いままでで一番綺麗だった
一生わすれたくない
この世にふたつとない
わたしの
わたしだけのだいじな
プロフィール
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