(今回は途中からケイネス先生の『なりきり』で進行します。)
『き〜よしこの夜〜♪』
全世界の『きよし』さんの『この夜』の過ごし方が注目されてますね。
『この夜』……具体的には『12月24日』。クリスマスの前夜祭にあたる『クリスマス・イブ』の『夜』の事です。
『一年で最も気になるきよしの夜は?』という統計をとると、恐らく『クリスマス・イブ』と答える人が大半でしょう。私はこの予想に絶対の自信があります!!(大口を叩いてみたッ!!)
(*`▽´)=3 プハァー!!!
本当に
『きよし』様は
今晩はいつ・どこで・ダレと、何をされるのでしょうか。
『なぁきよし、クリスマス・イブ何してる?』
って会話を聞いたら、
クリスマス付近に限らず、年中いつでも私は笑えますね。
ツッコミ不在のナチュラルジョーク・下ネタ・駄洒落は発言者が無自覚な分、もどかしい程に笑いのツボです!
例えば、
無人の部屋に蜜柑が缶の上に置いてある……缶の素材を確認すると、それはFeのスチール缶ではなく、
Alのアルミニウム、
あのテルミット系の焼夷弾に使用されるあのテルミットの原料、
『あの』アルミニウムの『アルミ缶』!!
『アルミ缶の上に在る蜜柑』
思わずニヤリ( ̄フ ̄*)
私は人間の意志が加わった『意図的なもの』をこよなく愛しますが、同時に『偶然』も同じくらい愛しています。
もし、
アルミ缶の上に蜜柑を置いた人物が『アルミカンの上にアルミカン』と思って置いたなら、その人物の心意気に感謝と敬意を評します。
しかし、コレが『アルミカン』と呼ばれている事も、この黄色い丸い物が『ミカン』である事も知らない外国人が偶々、
そこにあった二つの物体を上下に配置した状態で放置したのだとしたら……
私は、その偶然に奇跡的なものを感じます。ああ、神様ってもしかしたら存在するのかもしれない。そう思います。
言語を超えた偶然による駄洒落の完成に、神の意志を感じます。
多分、この神様は自分がトイレットペーパーと関係があることを自覚していらっしゃるでしょう!!神と紙……。
私にとって
誰にも気付かれないジョークは、例えるなら、『空の虹』です。
空に見事な虹がかかっている。……にもかかわらず、
そこは無人で誰一人として、その虹に感動するものはいない。
そんな情景を思い浮かべると切なくなる。世界の全ての物は、人間を感動させる為に存在しているワケではありませんが、
『人に感動を与えうる物』が何の評価もされず、誰にも知られぬままにこの世界から消えてしまうのが切ないのです。
私はこの可笑しさ、不思議さ、面白さ、美しさを他人と共有したいと時々は思います。
……が、大抵はとるに足らない詰まらない事です。(´△`)
さて、
そろそろケイネス先生に『クリスマス』をテーマに語って頂きますか。
―――――――――
【ケイネス=エルメロイ=アーチボルト】
一部の生徒が私を『エロメロイ』などと呼んでいるのは知っている。
……それは、どうでもいいが、
今日のテーマは『クリスマスについて』だったな。
クリスマスとは知っての通り、『キリストの降誕祭』の事である。
英語でchristmas、意味は『キリストのミサ』だ。
頭文字が『C』なのに
Xmasとも表記されるのは、キリスト=クリストスのギリシャ語表記の頭文字が『X』だからだ。
クリスマスは
フランス語でノエル、イタリア語でナターレとも言う。Nから始まるこの二つはラテン語のナタリス(誕生日)が語源だ。
ドイツ語でワイナハト(聖夜)とも言う。
切嗣「ああ、僕に魔術を教えてくれたナタリアを思い出すよ。彼女はクリスマスの祝日ナターレが由来の、クリスチャンネームだったのかも。」
(!!…居たのか、コイツ。)
クリスマスは4世紀中頃にゲルマンの冬至祭ユールやローマの農耕神サトゥルヌスを祭るサトゥルナリア、ミトラス教の太陽神の生誕を祝う冬至祭などを、キリスト教が取り入れて成立したと見られる。
一般的には、12月25日だが、東方協会(ギリシャ正教会…公式には『正統カトリック教会』というのだが)
では1月6日がクリスマスなのだ。
カトリックでは12月25日に三回ミサが行われる。
ローマ教皇は深夜の
第一ミサをリベアナ聖堂(生誕の際にキリストが入れられた馬槽がある)で、
早朝の第二ミサを聖アナスタシア聖堂でミサが挙げられる。この聖人の祝日も12月25日。
午前の第三ミサはサン・ピエトロ聖堂で挙げるのが慣例だ。
キリストが生まれたとされるユダヤは12月は雨期だから、聖書の描写と季節が合わない。本当のキリストの誕生日は12月ではないはずだ。
因みに、ミトラス教はペルシャの神・ミトラ信仰を起源とした宗教である。それが、ゾロアスター教(拝火教)、マズダク教などと習合したものだ。
キリスト教が広まるまで、ローマ帝国で最も盛んな宗教であり、キリスト教に対抗した主要な宗教でもある。
ミトラはミスラ、ミトラスとも呼ばれ、
元々は、
契約・友誼・信義を守護する正義を司る『司法者的』性格の最高神である。
光明神的な性格が強く、後に太陽神と同一視される。ゾロアスター教では、善なる最高神のアフラ・マズダの化身とされている。
冬至の日に太陽神を祭るのは、衰えた太陽神の力の回復を祈願する為なのだ。太陽は冬至の日を境に、再び日照時間が伸びるから、これが『太陽神が力を取り戻した』証拠とされる。
クリスマスにツリーを飾ったり、カードの交換やサンタクロースが贈り物をしたりするのは、実は比較的近年の話だ。
切嗣「ねえケイネス」
なんだ、まだ居たのかドブネズミ。私の話しの最中だ。静かに聴くか、出て行くかどちらかにしろ。
「君ってさ、キリスト=クリストスとかマズダク教とか
よく真面目な顔して言えるよね。
ほら、クリストスって女性器のクリトリスに音が似てるから。陰核の。栗と栗鼠(リス)って意外とエッチだと思わないかい?」
思わない。思ったこともない。……無視して続けよう。
さて、クリトリス…じゃなかった、(ゴホンと咳払い……///)
クリスマスで有名なのがお馴染みの白い髭に赤い服の
『サンタクロース』と言う老人だ。
彼のモデルは4世紀頃ミュラにいたとされる司教の聖人(セイント)『ニコラウス』だ。
サンタクロースとは、
アメリカのニューアムステルダム(ニューヨーク)に渡ったオランダ系清教徒が広めたセイント=ニコラウスのオランダ語訛りである。
この聖人の祝日は12月6日で、その前夜に贈り物を交換する習慣があった。これが、今のクリスマス・プレゼントを贈る習慣の元になったのだ。
聖ニコラウスが奴隷に売られそうな哀れな三人の少女に夜密かに贈り物をして助けた伝説がある。…確か、彼女達の靴下の中にコインを入れたのだったか。
そして、
このミュラのニコラウスの遺骸は、イタリア南部の港湾都市・バーリの旧市街地にあるサン・ニコラ聖堂に安置されている。
(自嘲気味な思い出し笑い)
フフ……以前、イスカンダルの聖遺物が盗まれた時、ちらっとこの『サンタクロース』が候補に上がったのだよ。
ゴルディオンの戦車の逸話から言って、
イスカンダルなら恐らく『ライダー』のクラスで召喚されるのはすでに予測していた。
私としても、まさか、ウェイバー君が本気で英霊の召喚などと、大それた事をするとは考えていなかったのでな。
つまり、私は最初から機動力に優れた『ライダー』を召喚する予定であって、
イスカンダルの代わりになるライダーの候補として、空飛ぶトナカイのソリを持つ『サンタクロース』が一度は候補に上がったのだ。
まぁ、聖遺物の所在地ははっきりしているのだが、あれに手を付けると聖杯戦争の監督役を務める聖堂教会がうるさそうだし、
赤い服の老人と真っ赤な鼻が光るトナカイでは戦力的に些か不安だから、却下したのだよ。
どう考えても、戦闘向きではないからな…。
もし、まかり間違っても、『あわてんぼうのサンタクロース』など召喚したら、目も当てられん。
魔力供給は婚約者のソラウに任せる計画だし、その為にも、あまりに恥ずかしい英霊は喚べんのだ。
それなりに、格好のつく英霊でなければ…そして、早急に入手可能な聖遺物がなければ………。
と、召喚したのがあのランサー『ディルムッド=オディナ』なのだが、
………貴様、その格好良さ自重しろ。
(というか最終的には『自害しろ、ランサー!!』)
私は『愛の黒子』の逸話を知ってたから、そもそもコイツを喚びだすのは気が進まなかったのだ。
考えてもみろ。不吉すぎるだろ、ソラウも居るのに、主君の結婚相手と不倫する逸話の英霊は!
同理由でアーサー王伝説の『ランスロット』も遠慮したい。さらに言うと、アーサー王の父親の『ウーサー=ペンドラゴン』も……。『トリスタンとイゾルデ』の『トリスタン』もだ。
コイツ等に婚約者を持つ身として、一言言いたい。
『人のモノに手をだすな』と!!
……ウェイバー君、キミの事も言ってるんだがね。
フランスではサンタクロースの代わりに『クリスマス爺さん』と『ひっぱたき爺さん』と言うのが居て、
この二人が一緒に子供の所にくる。
良い子にはクリスマス爺さんが贈り物を置いて行くが、
悪い子にはひっぱたき爺さんが束ねた木の小枝を置いて行くそうだ。
……ひっぱたかれろ、ケリトゥグ!ウェイバー!ついでにランサー!
クリスマス・ツリーの由来ははっきりしないが、
8世紀のドイツの伝道師で聖ボニファティウスが
北欧神話の神オーディンの木に人間の子供が犠牲に捧げられるのを知って、
代わりに幼児キリストへの捧げ物を吊してたのが始まりとされている。
実はこのオーディン自体も自らを木に吊して、知識を得る事を祈願した伝説がある。オーディンは自分が知恵の神でもあるから、自らを生け贄にして、自らに祈願し、ルーン文字の秘密を解き明かしたのだ。
オーディンは北欧神話の最高神であると同時に、彼自身は一人の知識の探求者であり、魔術師でもあるのだよ。
切嗣「かなり、ハードだよ。
自分で自分に自分を捧げられるヤツって、マゾが一人でお楽しみ中って感じだ。
それとも、自分へのご褒美ってやつなのかな?自分への苦痛が自分への一番のご褒美なんて、マゾプレイ過ぎる。
でも、魔術師は知識の為なら何だってする、そんな変態ばっかりだよね、ケイネス。」
おい、ちょっと待て。
その魔術師に私も貴様も含まれているんだぞ。悪いが、そんな変態は貴様一人で十分だ、私を巻き込むな。
……オーディンはタロットカードの『吊された男』のモデルとも言われている。
切嗣「君はサンタを何歳まで信じてたの?」
居るに決まっているだろ?
幻影や暗示を使ったりして、サンタクロースの再現は可能だ。魔術師なら聖ニコラウス本人になれなくとも、『サンタクロースと信じられている存在』にはなれるのだ。現在のサンタクロースは聖ニコラウス本人からかけ離れた存在なのだから、今さら聖ニコラウスになる必要はない。
聖ニコラウスはトナカイのソリに乗らないし、煙突から不法侵入もしない。それが可能なのは、魔術師だ。よって、魔術師の方が子供達が信じるサンタクロースに近い存在だ。
「…サンタの正体は実はただの魔術師か。夢があるんだか、ないんだかわからないね。
僕はサンタを信じない派だよ。娘のイリヤはとっても良い子なのに、一度もサンタが来たことがないからね。アインツベルンの城にはちゃんと暖炉もあるのに。」
それは、結界を張ってあるから当然だろ!?私の家も暖炉の煙突にサンタ除けの結界が張ってあったぞ。
「鼠か虫みたいだね、サンタ。」
鼠は貴様だ。
その代わり、我が家では毎年父が完璧にサンタを演じてくれた。私にとって、本物のサンタは父上だ。……まあ、結局、父が一番はしゃいでいたようにも思うが。
切嗣「ケイネス、そろそろ終わりみたいだけど、
君の後ろにある木は説明しなくていいの?それ、宿り木でしょ?」
宿り木はクリスマスに関係のある寄生植物で、二つに分かれた葉とネバネバした淡黄色の実が特徴だ。
「宿り木の下でキスしていいんだよ。アイリとイリヤの為に一枝もらって行くね。」
早く帰ってくれ。