番外編やSSSのサイト掲載に伴い、空白になった頁を埋めるためのあとがき。
文章力が足りない為の補足やら解説やら一人ツッコミやら。
ネタバレやイメージが壊れる可能性があるので、閲覧注意!
追記に書いています、自己責任にてどうぞ。
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定職に就かずぶらぶらしているニートな伯爵家長男イヴァンと、第二王子である王太子カインに嫁いできたラティーシャが、邂逅する(イヴァン側から見て)話です。
というのもまだ爵位を継がずに宮廷にも出仕していないイヴァンは、当然王太子妃殿下と謁見する機会など一度もなく初対面だと思っていたのですが、話をするにつれ以前出会っていた事に気付かされてしまいます。
いつ会っていたのか……。
その頃はローランとラウルの男三人でよくつるんで遊ぶ事が多く、そのラウルの方がある日突然女を連れてやってきたのです。
ラウルはリッシュ公国出身で、女性もリッシュ公国橙族のような橙の髪色や小麦色の肌色をしており、服装も踊り子のような民族衣装。
女性は恋人ではなく見習い楽師であり、異国の音楽に触れる体験を兼ねて王都観光をさせたいと、ラウルはいいます。
今まで女の影がなかった悪友が女を連れてきたのですから、二人はとても驚きます。
そんなこと言いつつも本当は恋人同士若しくは意中の相手なのではと邪推したイヴァンとローランは、それはもう愉快なことこの上ないので快諾。
最初はそれでも女性がいるということで、劇場にて歌劇を観劇。
その後は王室御用達高級レストランでヴァイオリン生演奏を聴きながらコース料理など、普段しないような無難で高尚な遊びをしますが、若い悪友3人の集まりですから次第に羽目を外し、夜通しで乱行します。乱行であって、4Pなあの乱交という意味ではないです(笑)
最後は、地下営業をしている大衆酒場で酒盛り。
その時若かったイヴァンは不覚にも泥酔し、酔った勢いで女性をホテルに連れ込む――のではなく国政について討論。
その女は自分であったと、王太子妃からカミングアウトされたイヴァン。
まあ、この事が公になれば間違いなく首が飛びますね。
あの夜、夜通しで乱行(※賭博、喫煙、飲酒、朝帰りなどなど)を楽しんだのですから。
王太子の婚約者ではなく一般女性として臣民と接し、ありのままの民衆と王都を見たいという王太子妃の頼みを聞いて、ラウルはあの場に連れてきたのです。
擬装術で肌色や髪色を変えられて素性が分からなかったとはいえ、まさか王太子の婚約者がへそ出しな踊り子スタイルで現れるとは思っても居なかったローランとイヴァンは、まんまと完全に騙されました。悔しかろう悔しかろうです。
オルヴィス国王は出仕要請声明を国王の名の下で命じたけど、ラティーシャは私的な場で一個人としてイヴァンに頭を下げてお願いをします。
オルヴィスの方は強制力を伴い従う必要のあるものですが、ラティーシャはただのお願い事なので当然強制力はありません。
だけど、イヴァンはラティーシャの言葉を受けて、出仕することを決めます。
イヴァンもローランも今でこそ実直謹厳お役所人間な感じで落ち着いていますが、若い頃はかなりやんちゃをしてました(笑)